注文住宅に地下室をつくるメリット・デメリットについて

注文住宅で地下室をつくることを検討している場合、実際に住み始めてから使用するかどうかを考えてみましょう。この記事では、メリット・デメリットと地下室が必要な家の特徴を紹介します。

注文住宅に地下室をつくるメリット

床面積がワンフロア分増やせる

土地には、容積率という延床面積の上限がそれぞれ決められています。都市部の土地の場合、容積率ギリギリまで使って床面積を増やしても、まだ足りない…というケースが少なくありません。そこで検討したいのが、地下室です。

地下室はその建物が住宅として使われていて、なおかつ地階の天井が地面から１m以下の位置にあり、地下室の床から地面までが天井高さの３分の１以上のもの、という条件を満たしている場合、延床面積の３分の１まではカウントから除外されるというルールがあります。

実質的に３割以上も容積率が緩和されるため、その分住空間を確保しやすいです。

高い耐震性が得られる

地震は、地面の揺れです。建物は地面の揺れにつられるようにして揺さぶられています。地下室は建物の一部ではあるものの、地面に埋まっているため地面と一緒に揺れます。この際、地下室の壁に接する地盤がバネのような役割を果たし、揺れの影響を軽減してくれるのです。

また地下室は常にかかる土の圧力を計算して設計されています。２階や3階部分よりも揺れが小さく感じられるでしょう。

防音性の高い部屋が手に入る

地下室は地面に囲まれているため、土の圧力に耐えられるように床や壁の耐久性が高い設計でつくられています。意図せず、防音室のような機能が得られるでしょう。地下室をシアタールームや楽器の演奏スペース、ダンスフロアとして使用する人も多いです。

また中の音が聞こえづらいだけでなく、周囲の雑音から隔離される点もメリットです。書斎や読書部屋など、静かに過ごしたいときに活用できます。

地下室をつくるデメリット

建築費用がかさみやすい

地下室は、地下に部屋を設けるために土を大きく掘ったり、コンクリートを入れて部屋の形を作ったり、電気や空調といった設備を入れたりする必要があります。基本的な構造を作るだけでも、とても大掛かりな工事です。

地下室を作るにはコストがかかるため、建築費用の予算との兼ね合いを見て検討しましょう。

湿気がこもる

常に土の中に埋まった状態の地下室は、夏場になると結露しやすいのが問題です、夏に湿った空気が入り込むと、外気温よりも温度が低い地下室では水蒸気が飽和し、結露が発生します。

コンクリートが水分をすべて放出するまでには数年間かかるため、新築後の数年間は湿気がこもりやすいです。そのため、地下室を設けるときは換気や除湿の設備が必要です。

地下室はどんな家に必要？

地下室をつくるのに向いているのは、以下のようなケースです。

• 隣の家が近く生活音が気になるため、周りから遮断されたプライベート空間を確保したい
• 土地が狭いけれど、床面積をできるだけ多くしたい
• 周りを気にせず思う存分趣味を楽しみたい

というような場合は、地下室を検討しましょう。せっかくの住まい、ストレスや不便を感じながら過ごすよりも、地下室で周りを気にせず過ごせる空間があれば、毎日の暮らしが楽しめるはずです。

また土地が狭くても地下室があれば、容積率の問題であきらめなければなかった間取りを叶えられることもあるでしょう。

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