狭小地を活用して注文住宅は建てることはできるのか

公開日：2023年1月17日｜更新日： 2023年3月13日

注文住宅はどこにどのように建てるのか、すべてが依頼者の自由です。狭小地であっても同様です。取得した土地が狭小地だった、あるいは狭小地しか取得できなかった等、事情は様々かと思いますが、果たして狭小地に注文住宅を建てることはできるのか、さまざまな角度から解説します。

狭小地に立てる家は狭小住宅

狭小地に建てる注文住宅は「狭小住宅」と呼ばれています。
土地の形はさまざまで、どうしても狭い区画ができてしまうこともあります。そのため、狭小地は全国的に見れば決して珍しいものではありませんので、狭小地にて狭小住宅を手掛けたメーカーもまた、珍しくありません。
つまり、結論としては「狭小地でも注文住宅を建てることは可能」です。

小さな土地を生かした狭小住宅の3つのメリット

狭小地にて狭小住宅と呼ばれる注文住宅を建てることは可能なだけではなく、3つのメリットがあります。
それぞれについて詳しくご紹介しましょう。

利便性の高いエリアに家ができる

狭小地の形もさまざまですが、区画整理の外れの余ってしまったスペース、他に開発ができない土地などが多いことから、周辺の一般的な土地よりも入手しやすいです。
そのため、利便性の高いエリアに家を建てることができます。

税金や購入時のコストを抑えられる

お伝えしたように、狭小地は周囲の一般的な土地と比較すると安価です。
なかなか買い手が見つからない狭小地の場合、より安価にせざるを得ませんので、購入費用が抑えられます。結果、固定資産税も安いです。
つまり、狭小地での注文住宅はランニングコスト・イニシャルコスト双方を抑えることができます。
不動産を購入する際、費用や固定資産税は重要な部分です。予算を抑えて購入できる点は、注文住宅の購入を前向きに検討している人にとってメリットとなる部分でしょう。

おしゃれな空間にできる

狭小地は狭かったり不規則な形だったりと、一般的な土地と比較するとよく言えば個性的、悪く言えば歪な土地です。
つまり、他にはない個性を出すことができます。従来の整えられた区画の土地とは異なる家づくりが求められますので、狭い土地ならではな注文住宅や、歪な形の土地に合わせた注文住宅は、従来の土地に建てられる注文住宅にはない個性・おしゃれな空間をもたらします。

小さな土地の狭小住宅のデメリット

狭小地に建てる狭小住宅ならではなメリットもあれば、もちろんデメリットもあります。
メリット、デメリット双方を理解することが大切なので、これからご紹介するデメリットも把握しておきましょう。

メンテナンスが難しい

一般的な住宅と比較すると、狭小住宅はメンテナンスが難しいです。
例えば本来であれば簡単に通すことができる設備が通れなかったり、他では見られない設備が使用されていることから、交換する際、常に特注・オーダーメイドとなるのでコストが高くなってしまったりといった点が懸念されます。
複数人で行えばすぐ終わることも、複数人入り込むスペースがないので少ない人数での作業となり、時間がかかってしまうこともあるなど、狭小住宅は一般的な住宅と比べるとメンテナンスに手間がかかります。

家からの景色が悪い

狭小地は区画の中で端っこや隙間が多いことから、家からの景色はお世辞にも良いとは言えません。むしろ隣と隣接していたり、角度が悪くて何も見えない等、景色に関してはほぼ期待できません。
屋上を設定したり、あるいはバルコニーからの見晴らしの良さを期待している場合、残念ながら狭小住宅は相性が悪いです。

家具のサイズに困る

狭小住宅は家具のサイズに困る点もデメリットです。
狭い土地に建てているので一般的な住宅と比較すると間取りに工夫が凝らされているので、一般的な家具では手狭なケースもあれば、そもそも搬入できないケースも多いです。
通路や入口が狭い狭小住宅には、一般的な家具をどう工夫しても部屋に入れることができないことから、部屋で使用できるか、マッチするかではなく「部屋に入れることができるのか」という観点で考えなければなりません。

駐車スペースの確保が難しい

駐車場を設定すると、もはや家を建てることが困難な状況になってしまったり、ピロティ式にしたら強度の面で不安が出てしまうケースが多いなど、狭小地では、基本的に駐車スペースの確保が難しいです。

小さくても広く見せる！狭小住宅のポイント

狭小住宅にはメリット・デメリットがあることが分かっていただけたのではないでしょうか。
これらを踏まえ、狭小地に建てる注文住宅を広く見せるためのポイントをご紹介しましょう。

採光・風通しで調整

採光や風通しを工夫することで、部屋を広く見せることができます。
特に採光は人間心理に影響を与えやすく、明るければ広く、暗いと狭く感じてしまうものです。
そのため、日当たりを踏まえた採光を意識し、室内の明るい時間を長く保つことで狭さを感じさせません。

デッドスペースを作らない

デッドスペースは、一般的な注文住宅であればそこまで大きな問題にはなりません。しかし狭小地の注文住宅ではデッドスペースもまた、「貴重なスペース」です。
そのため、デッドスペースを作らないよう工夫しましょう。極論ですが、狭小住宅にはデッドスペースはあってはなりません。少しでもスペースを活用し、狭さを軽減しましょう。